驚異の新種ギターロックバンド「ニアフレンズ」インタビュー
数々のフェスやサーキットイベントに出演されている大阪の若手バンド、ニアフレンズ。
精力的に活動している彼らは、2017年12月20日に3rd single「spread spirit」のリリース。
レコ発直前に、今回の作品に込めた思いや、バンドのこれからについての思いをインタビューさせていただきました。
驚異の新種ギターロック!
大阪のバンド「ニアフレンズ」
―――まず自己紹介をお願いします。
篤:大阪のニアフレンズのギターボーカルの篤(あつし)です。
空志:ベースの空志(こうし)です。
大河:ギターの大河(たいが)です!
―――よろしくお願いします!
全員:よろしくお願いします!
―――みなさんの年齢はおいくつですか?
篤:僕が今年21で、空志が20で、大河が22です。
―――あっ、一個ずつ違う感じなんですね!
篤:そうです、一個ずつ違います。
―――作詞作曲はどなたがされていますか?
篤:僕がしてます。
―――作詞作曲は篤さんで、あとはみんながアレンジする感じですか?
篤:いや、全部僕っすね。
俺がメンバーにこうやってくれって言う。
―――どのようにして結成されたのですか?
篤:出会い系サイトです。
―――SNSですか?
篤:出会い系サイトです。
「なんで知り合ったんですか?」って言われたら絶対そう言うてます。
空志:おなじみのやつ(笑)。
篤:いやほんまのこと言うと、俺と大河が一個差なんですけど、高校も全然違うんですよ。
それで、俺が小学校・中学校一緒やった同級生が大河の高校の後輩やって、俺がバンドしたいなって思ってた時に、その同級生が「俺の先輩にうまいやつおるで」って教えてくれて1回3人で遊んだんです。
大河:そっから2人でたまにスタジオ入ってコピーとかするようになって、みたいな。
篤:それで、「一緒にバンドやらん?」ってなって曲を作り始めて。
ドラムとベースは俺の高校から引き連れてきたやつやったんですけど、やっぱ高校生やったんで就職活動やったり進学やったりで辞めてしまったんです。
―――一気に2人になってしまったんですね。
篤:それで、メンバーを探してたらベースの空志が別の高校生バンドを組んでて、ライブみて「あ、いいな」って思ったんで「一緒にやらへん?」って言って、まずサポートで空志に入ってもらったんです。
ドラムもまた別のバンドでやってた子にサポートしてもらってたんですけど、サポートしてもらってた2人のバンドが両方とも解散しちゃったから「じゃあ一緒にやろか」ってなって空志とドラムが正規メンバーになったんですけど、1年くらいしたらドラムが抜けてしまって、今の体制になった感じですね。
―――残ったのが今のメンバーっていう感じなんですね。
篤:そうです。
だから俺と大河はずっとなんですよ。
―――一緒にいる時間が長いのですね。
大河:そうっすね(笑)。
篤:5年、6年くらい?
でもまあ仲良くはないです。
普通です(笑)。
大河:そう、普通(笑)。
3rd single「spread spirit」への思い
3rd single「spread spirit」
―――2017年12月20日にリリースされた3rd single「spread spirit」、みなさんにとってどのような楽曲でしょうか?
篤:僕が1人で作るから、どうしても僕だけの曲になってしまうんですけど、今回はちゃんとバンドの曲にできたんじゃないかなと思います。
―――というのは具体的に曲自体を全員でアレンジしたりとかですか?
空志:いや、というよりかは全員で一緒に歌う場所を決めたり、ね。
篤:俺はこういう風にこの曲に対して思ってるんだよってのを、ちゃんと共有できてる感じがしたなと思います。
―――今までの楽曲はそういう部分があんまりなかった感じなんでしょうか?
篤:俺色の強いというか、俺だけでも成り立ってしまうんじゃないかと思われたり、ライブのテンションとかもですけど。
ライブをいっぱいしまくってきて曲も作ってってしているうちに、わからんなりにもちゃんとぶつかり合えるというか、やっとちゃんと話し合いができるようになってきたかなっていう感じです。
―――それはメンバーさんからしたらどういう気持ちですか?
大河:僕の勝手なイメージで、楽曲だけを作って後で歌詞を乗っけるっていうイメージがあったんですけど、今回は歌詞を最初に共有してもらってこの歌詞はこういう意味で、どういう気持ちでとかを共有した後に曲の制作に入ったので、そういう意味でもちゃんと考えて作れたかなっていう。
意外とその感覚が初めてだったので、早くみんなに聴いていただきたいです!
空志:なんか曲作るときに今回は、結構模索し続けて、続けて続けてパッと出た、みんなが納得できる曲になりました。
篤:途中まで全く別の曲なりそうやったもんな!
大河、空志:うんうん。
篤:違う方向に進んでたけど一回戻って、ほんまに最初から作り直しましたね。
レコーディングの様子
―――今回のレコーディングで印象に残ったことはありますか?
篤:1日っていうか、まぁ6時間くらいで終わったんですけど。
大河:今までやってきてなかったことを、短い中でもいっぱいできたので、例えばレコーディングのギリギリまでみんなで練ったりとかしたんで。
篤:レコーディングブース入ってからも歌詞の言い回しを変えたりとかしたり。
大河:そんくらい結構考えましたね。
このコーラスどうやって入れようかとか!
空志:まだライブでもやってない新曲を1曲録ったんです。
篤:そう、完全な新曲でライブ感を出すのがすごい難しかったですね。
ライブ感は出したいけど、聴き込める音源にもしたいし、その中間が難しかったです。
前作はタワレコでも並べてもらったんですけど、それ1500円するんですよ。
ちょっと高いと思うんです。
―――そうですよね。
篤:そんなかで次出すってなったときに僕たちの楽曲を聴いてライブハウスに足を運んでくれた人たちは、俺たちはこういうライブで、そのライブを見て次新しく音源を買ってみようってなったときに、1枚目みたいに1500円やとちょっと手を出しにくいから、入門編じゃないですけど、手の出しやすい音源を作ろうと思って。
でも、それを1万枚とか2万枚じゃなくてほんまにライブハウスに来てくれた人、今の現場での俺たちを知ってくれてる人に届いてほしくて。
別にそれをタワレコに置いてとかじゃなくて、自分たちの手でちゃんと売りたいなと思って500枚限定にしたんですよ。
最初の質問の答えとは大きくズレてしまいましたが(笑)。
―――(笑)。
ニアフレンズの今後の目標
―――最近とても勢力的に活動されていて、たくさんのサーキットイベントやライブに出演されていますが、いま目指している目標はありますか?
篤:最初に僕らが見に行って、出たフェスがCOMIN’KOBEなので、やっぱりちゃんと出たい。
一回立たせてもらったとは言えオーディションだったんで、来年開催されるんであればやっぱり呼ばれて立ちたいですし、最終目標は一番でかいワールドステージに出たいなと思います。
人として好きなんですよ、このフェス。
イベントなんて山ほどあるけど、COMIN’KOBEだったり、京都大作戦とかは制作側の思いがちゃんと見えてきて、ちゃんと伝わってくるんで。
そこでちゃんとかっこいいライブしたいなって思います。
大河:フェスってなったら、僕らやっぱ最初に思い浮かぶのがCOMIN’KOBEなんです。
その次に夏フェスに出てみたいなってなる。
空志:そう、やっぱCOMIN’KOBE出たいっすね。
―――みなさん一致でCOMIN’KOBEに出たいという思いがあるんですね!
篤:そうですね。
そのために神戸通ってるみたいなとこあるんで(笑)。
去年も僕らを出さしてあげたい!
とは言っていただいてたんですが、僕らとCOMIN’KOBEとの間にちゃんと関係ができてないと言われて。
「前にオーディションに勝ち抜いてCOMIN’KOBEに出たことがあるバンドってだけのつながりになってしまっているから、神戸とニアフレンズの結びつきとかを考えたら主催側としてはプッシュできやんかった」と言われて、だったらもう今年はちゃんと出られるように毎月のように行きたいなと思って。
そういうとこちゃんと言ってくださるとこも大好きなんです(笑)。
ーーーニアフレンズのライブ量はなかなかハードなものだと思うのですが、このライブ量をこなすモチベーションはどこから出てくるのですか?
篤:正直大変ですよ(笑)。
でも俺らは誘われたイベントに対して、熱量だったり人間味を感じられるものがあるなら、やれるだけのことをやるだけって感じです。
俺らって、世間的に言ったら一番ドベのドベやと思ってるんです。
全員フリーターやし、みんな最終学歴高卒で、大学も行ってない就職もしていない親不孝者かも知れへんけども、俺たちが唯一集まってできるってことは、もうひたすらに全力でやるしかないなっていう。
今好きなことをやらせてもらえる環境にいるなら、もうそれをやり抜くしかないなと思って。
だから俺たちを本当に必要としてくれてる場所があるなら、次の日がなんかあっても、朝が早かったとしても、「いや行くし」みたいな。
呼ばれる限りはとことんやりたいなと思ってやってるだけです。
―――それってかなりすごいことですよね。
篤:そうですね、自分らがやりたい人とやらせてもらうこともあるけど、それ以外にもかなりの数のお誘いをいただいていて。
―――周りが推してなかったらそんなにブッキングされないじゃないですか。
篤:そうですね。
ありがたいことですが、例えばSNSでつながって、たまたま俺らのライブを見に来てくれて、「一緒にライブしませんか?」みたいな感じで来てくれたら一緒にしたいと思うんですけど、いきなりメールフォームで知らん人から来たら、俺らその人知らんから、なんも言えないし、出てもいいライブができないと思っちゃう。
―――なるほど。
篤:別に他力本願とかじゃなくて、俺は本当のことしか言いたくないんで、本当のこと言ったら「なんなんすか」ってなっちゃう。
俺たちライブはエンターテイメントだと思ってるので、お互いが歩み寄った上で成り立つと思っているんですよ。
まあ、そんな風なお誘いを受けてるだけなので、なんかライブ行っても「今日もよろしく~」みたいな感じになることが多いです。
大河:うぇ~い!
みたいな(笑)。
篤:ほんと頭悪~い会話しかしやん(笑)。
―――ニアフレンズさんって少しとがった感じと面白い感じが特徴的ですよね。
篤:(笑)。
例えば対バンライブの時、俺らめちゃめちゃライブしてるから、俺らがライブよくなかったらあかんくない?
って自分に対してのプレッシャーみたいな。
俺らよりライブ経験が少ないバンドに俺らがまずライブで負けたら絶対ダメやと思うんですよ。
俺らは俺らでの強みがあるし、もちろん音楽は勝ち負けじゃないけど、でも絶対負けへんっていう自信がある。
そんなけやって来てるんで。
―――ツイートとかたまにすごいとがってますよね(笑)。
篤:あれでも抑えてる方なんですよ(笑)。
やけど、言いたいことをボロボロいうのはただのトゲだし、SNSで言うべきことではないと思ってます。
音楽やってるんやから音楽で気持ちを伝えるのが俺らの仕事やと思うんで、そんなん垂れ流してたらほんとただのOLの裏垢みたいになってまうんで(笑)。
―――そうですね(笑)。
篤:まあ、俺は言うタイプなんですけど、この短時間でも分かったと思いますけどメンバーは全然言わないタイプだったり。
―――そうですね、バランスが取れてますよね。
篤:言わないというより言えないタイプの人もおるし、頑張りたくても頑張れない人もおるし。
そこをちゃんとくみ取った上で音楽にしたいなと。
―――みんなが思ってることをまとめた文って感じですか?
篤:いやもちろん俺個人の意見はありますよ。
それをおもしろおかしくすんのも俺やけど、絶対的に(メンバーが)思ってることを書いてます。
大河:明らかに性格が違う訳じゃないですか。
それでも一緒に居られるって言うのは、篤が話す言葉に共感してる部分がありますし。
―――1人で爆走していないってことですね。
大河、空志:そうですね。
篤:してたら、できてない。
大河:ライブとかでも、MCがすごい喋る方なので、たまに篤が話してて自分でもウルってしてしまうくらい(笑)。
篤:それダメっすけどね(笑)。
大河:いやでもほんま、なんか自分が思ってることとリンクした時がすごくて。
うわ思ってること言ってくれてるーー!!
ってなった時がすごい自分も気持ち上がりますし、そう言うのがあるから性格が違っても一緒に居られるんかなあって思います。
ただやっぱ、ずっと一緒にいたくはないですけどね(笑)。
―――(笑)。
篤:面白い(笑)。
初めて面白い(笑)。
撮れ高あったんじゃないすか(笑)?
空志:今なんか山場やった、なんか初めてオチあったな(笑)。
篤:そう、初めてオチあった(笑)。
ちょっとうれしかった。
大河、空志:笑。
篤:俺はステージに立った時にマイクを通して、スピーカー通して思いっきり言えるんですよ。
でもメンバーはコーラスマイクが立ってようが自分の思いは楽器でしか表現できないから、俺がライブ中もそれ以外でもこいつらのことを見て、今こう言うこと感じてるなあとか、思っとるなあとか。
変な話みんなバカなんで、わかりやすいんですよ。
だからちゃんとそれをくみ取った上で言葉を発信できるんで。
ツイートも安易に発信しているんじゃなくて、性格も踏まえた上で優しく言うけども、俺らしさも殺したくないから、触ったら痛っ!
みたいな感じで言うようにしていますね。
―――裏表がないんですね。
篤:すごい生きにくいっすよ。
バンドとかじゃなくて俺自身まず生きにくいですし。
思ったこと言ってしまうし、顔にも出てしまうし。
でも今までの人生間違いかって言われるとそんなことないと思ってるし、実際今こうやってインタビューしてもらったりとか、今日の対バンも俺らを信用して大阪代表として呼んでくださったし。
……何の話してたか忘れたわ(笑)。
―――オチが(笑)。
篤:まあとりあえず俺はこいつ(大河)と一緒に居たくないっす(笑)。
空志:はははは(笑)。
―――仲がいいんですね!
篤:いやあ……(笑)。
―――(笑)。
応援してくださっている方への思い
―――応援してくださっている方への思いをお願いします。
篤:いつもお世話になっております。
いつも本当にありがとうございます。
最近になってあらためて俺は1人で生きてるんじゃないなぁと、1人でバンドしてるんじゃないなぁと思います。
今回のCDを作る過程で、もっかい思い出したというか。
例えばMCとかでも「あなたたちが居ないと成り立たないです」とかいうバンドなんて腐るほどいるし、聞き飽きたかもしれんけども、ほんまに思ってる人もおるというか、俺自身が本当に思えてきたというか。
バンドだけでも無理やし、俺1人でも無理やし、逆に言ったら供給(バンド)がなかったら需要(ファン)も成り立たへんけど、お互い歩み寄った上ででき上がってるというか、自分が頑張ってるのはもちろんやけど、ちゃんと向こう(ファン)も頑張ってくれてる上で、俺らは今ちゃんとできてるんやなっていうことが本当にやっと思えてきたというか。
軽い言葉じゃなくてほんまに「ありがとう」とか「おはよう」「おやすみ」とか、そういう当たり前の言葉を言うのが、一番大変やなって最近すごい思うようになりましたね。
一番簡単に言えるけど、一番伝えるのが難しかったり、それをやっと少しずつ理解できてきたと思います。
俺、「お客さん」とか「ファン」って言うの嫌なんです。
純粋に「人」だと思っているので、その人たちに対して固有名詞をつけることもできないし、本当であれば名前を呼びたい。
俺たちの音楽を必要としてくれたり、好きでいてくれたりすることに対して今回の音源で「ありがとう」という恩返しの気持ちも全部込められたなと思います。
それに対しても俺は作らせてくれて「ありがとう」と今回作ってやっと思えましたね。
大河:まあ第一に本当に「ありがとう」しかない。
結構何回もライブに来てくれる人が多くて、毎回差し入れを持って来てくれたりとか、ほんでそれが面白かったりするんで(笑)。
―――面白い(笑)。
大河:僕らTwitterもそうやけど面白いっていうイメージがついてるみたいで、お客さんも面白い方が多くて(笑)。
篤:差し入れでも俺にハムくれたり(笑)。
ハムってそのコンビニとかで売ってる3枚入りとかのやつですよ(笑)。
大河:1回キノコもらったよな(笑)。
空志:なんかそれぞれをイメージしたキノコを持って来てくれたんですよ。
大河:僕しいたけもらいました。
篤:俺エリンギやったかな。
空志:俺なんかホワイトマッシュルーム。
全員:(笑)。
空志:こっちも楽しめるというか、しゃべってて楽しい。
篤:なんか人間らしい人間が集まってくるというか、俺たちが人間らしい人間なので。
逆にそれを求めてるというか、いいと思ったものを良いと言ってくれるし、アカンかったもんはアカンと言ってくれるし、それが一番いい。
空志:あるお客さんが友達に「いいバンドいるからみて!」とか「一緒に行こう!」って俺たちのことを言ってくれたりすることが結構増えてきていたり、そういう話を聞いたりすることも増えてきて、その点ですごくありがたいなと思います。
誰かが「いいよ!」って言ってくれてることに対してそれに恥じない、いいライブができるように頑張ります。
篤:なんの話やねん(笑)!
空志:えっなんで(笑)?
大河:(笑)。
―――いいライブをすることが恩返しだと思っているということですよね!
空志:そうです、そうです。
―――いいお話がたくさん聞けてよかったです!
今回はありがとうございました。
全員:ありがとうございました!
ニアフレンズ 3rd single リリースイベント「ガシンショウタン」
https://www.youtube.com/watch?v=WwxEPNLOAwY
最後に
個性的でユニークなメンバーの方々でしたが、音楽に対しての真剣な気持ちや、周りの方に対する熱い思いがたくさん聞けました。
「思いを曲にするのが仕事」だとボーカルの篤さんはおっしゃっていたとおり、今回の3rd single「spread spirit」ではそれが伝わってくる作品になっていると思います。
今後の活動からも目を離せません!
今回はありがとうございました。